著作権について、文化庁に聞いてみました!
インターネット上では、音楽や動画などたくさんの著作物が流通しています。調べたり、探したりするときには便利なんですが、違法なものも多数あるようです。
「Webしずおかインターネットカフェ」では、3月8日と15日の2週に渡り、文化庁著作権課著作物流通推進室の川瀬室長にご出演いただき、著作権についてお話を伺いました。
著作権についてはなんとなくわかっているんですが、簡単に教えて下さい。
昔から著作権の保護の程度が、その国の文化のバロメータだと言われています。
作品を創作した人の権利がきちんと守られ、作品を利用することから得られた対価により、次の作品が作られることを「創作のサイクル」といいますが、その創作のサイクルが保護されることが、その国の文化の発展に寄与することになります。この創作のサイクルを保護する法律が著作権法です。
著作権法では、我々利用者が、他人の作品をコピーしたり、インターネットで流したりするときは、権利者の了解を得なければならないことが決められています。ただし、どのような場合でも了解が必要かというとそうではなく、著作権法では、例えば個人的な目的でコピーする場合のように権利者の了解なしに利用できる場合も定められています。
このように、利用の円滑化に配慮しつつ、権利者の保護のルールについて定めているのが著作権法です。
著作権って気にはなっているんですが、ネット上で一般的に他人の著作物を利用する際に注意することは何ですか。
他人の作品を、ネット上のホームページや掲示板に貼り付けたり、他人に送信したりすることは、著作権の保護期間が切れているとか、著作権法が認めた例外的な利用に該当するとか、特別な場合を除き、権利者の了解なしにはできません。たとえ、利用目的が個人的なものであっても、非営利で行っていても無断ではできません。
気に入った音楽や映像をHP上に掲載することは問題になりますか?
先ほど言いましたように、権利者に無断でできないと考えてください。
着うた・着うたフルの無料サイトや音楽・映像をファイル交換ソフトで交換する場合のほとんどは違法に行われています。このような不正流通が正規の流通に大きな悪影響を与えていることが大きな社会問題になっています。
ホームページ上に載っていた旅行記を個人的にダウンロードしてプリントアウトするのは、著作権法上問題ないでしょうか。
著作権法では、無断で利用しても権利侵害にならない場合の一つとして、私的使用のための複製を認めていますので、個人的に使うことを目的としてHP上の旅行記を印刷するのは問題ありません。
ホームレコーディングなども私的使用のための複製にあたります。
学校のレポートを書くために、HPの情報を利用することは著作権法上問題ないのでしょうか。
HP上の解説や記事を、レポートを書く際の参考情報として使うため、あらかじめプリントアウトするのは、著作権法で認められた私的使用のための複製に該当し問題ありません。
一方、自分のレポートの中に他人の作品を使うときは注意が必要です。
例えば、学術論文でよく見られるように、自説を展開するときの補強材料として他人の作品の一部を掲載する場合があります。これを引用と言いますが、引用に該当するのであれば、作者の了解なしに使えます。ただし、この場合、自分の文書と他人の文書を明瞭に区別することなどいくつかの注意が必要です。また、引用する文書の出典の明示も必要です。
なお、レポート書くのが面倒だといって、ネット上の文書のそのまま自分のレポートで使ってしまい、あたかも自分で書いたようにすることは、絶対してはいけません。これは、いわゆる盗作と言われるもので、著作権侵害の中でも一番悪質なものです。
動画投稿サイトにテレビで放送された番組を掲載してもいいのでしょうか。
放送番組も著作権法で保護されている著作物です。また、放送局は著作物の伝達者として特別な保護をされています。したがって、放送局の了解なしには、投稿はできません。なお、自分で撮影したペットや家族の様子を撮った作品を投稿するのは、基本的に問題ありません。
ラジオの声はどうなんですか?
ラジオのパーソナリティの言葉も著作物なので、ラジオをコピーしてネット上に貼付けることも、許可なしではできません。
今年の1月の改正された著作権法の内容について、少し教えてください。
今年の1月から、従来から禁止されていたネット上に権利者に無断で「掲載する」ことに加えて、違法に掲載された作品を「ダウンロードする」ことは、たとえ個人で楽しむ場合であっても、違法となります。ただし、全てのダウンロードについて権利者の了解なしに出来ないということではありません。
ポイントは2つありまして、違法な配信であることを知っていながらダウンロードを行うことを違法としたこと、もう一つは、被害の実態が顕著な音楽や映像のダウンロードに限定していることです。
着うたや着うたフルの無料ダウンロードやファイル交換ソフトを利用した音楽、映像のダウンロードが該当します。
ネットユーザーにとっては、大きな法律ルールの変更になると思いますが、膨大な不正流通を出来るだけおさえ、創造のサイクルを維持・発展させるために必要な措置であると考えておりますので、皆様のご理解をお願いします。
違法行為があった場合は、罰金とか発生するんですか?
違法サイトからのダウンロードは、ダウンロードの総体としては、膨大な量になりますが、これは「ちりも積もれば山となる」とのことわざのごとく、一人一人の行為はそんなに悪質ではないと思いますので、今回罰則はなしにしています。
YouTubeなどの動画サイトでアーティストのPV(プロモーションビデオ)などの動画を再生すると違法になってしまいますか?
YouTubeなどのいわゆる動画投稿サイトの視聴は、いわゆるストリーミング視聴といわれ、一般にダウンロードを伴わないので、自由に視聴していただいて問題ありません。
YouTubeなどを見ると、ブラウザ内に動画ファイルがキャッシュされますが、フォルダ一覧から参照し、再生するのは違法ですか?
キャッシュは本来、パソコン使用の効率化を図るための技術的手段の一つとして作成されるものですから、権利侵害にならないことになってます。
ただし、キャッシュの本来の目的を超えて、キャシュホルダーから取り出して、視聴ソフトにより視聴したり、別の記録媒体に保存する場合は権利侵害になる場合があります。
最近は、YouTubeなどの動画をパソコンやiPodなどにダウンロードするソフトも販売等されていますが、こういったソフトを使うのは違法になりますか?
そのようなソフトを使って、ダウンロードする場合は、合法的に配信しているものならいいんですが、原則に戻って、違法配信であることを知りつつ音楽や映像をダウンロードすれば違法になります。
利用者の立場でも著作権のこと、もっと知っておきたいですね。
昔は著作権法は一部の利用のプロと創作のプロだけに関連したものでしたが、ネット社会では個人でも他人の著作物を利用するのが簡単にできるようになりました。
一般の皆様も文化庁のホームページなどを通して、ぜひ著作権の正しい知識を身につけていただき、違法な行為はしないようにしてもらいたいと思います。
今回、罰則を設けなかったのは、日本人の方は法律のルールを守っていただける方が多いということで、法律を改正いたしました。
今回はありがとうございました。
(実際に今年の1月1日時点で、インターネットのデータの流通量は減ったという話を聞いたことがあります。やはり日本人は罰則がなくても、違法という言葉に敏感に反応するのでしょうか。)



